ドイツの大学が認めるドイツ語の資格試験④ 教材の充実度なら一番!「telc」

ドイツ語試験

以前の記事で、ヨーロッパで使用されている言語習得の基準、CEFR(GER)について、そして外国人がドイツの大学へ留学する際に語学資格として認められるドイツ語試験について解説しました。

外国人が出願する時に語学レベルCEFRのC1以上を求めているドイツの大学ですが、そこまで言うだけあってちゃんと可能性は多目に提示してくれています。

ゲーテインスティテュートの試験、TestDaFは海外だけでなく、もちろんドイツでも受験可能です。やはり本場ドイツということで、会場の数も、それに伴う受け入れ人数も段違いに多くなります。

また、ドイツにいればそれらだけでなく、別の形態のドイツ語試験も受験することができます。

今回は、ドイツ国内でのみ受けられるドイツ語試験、「telc」の解説です。

大学に出願したいなら「telc Deutsch C1 Hochschule」

DSHよりは一般向けになりますが、ドイツにいるならtelcという語学試験を受験して、ドイツの大学に出願することも可能です。

telcはTestDaFと同様に自営のテストセンターを持たず、そのかわりドイツ国内の私営語学学校に会場を借りて実施されます。

こちらは受けるだけなら受験資格は厳しくないです。基本的には申し込んでお金払うだけです。大学出願に適用できるtelcの試験は、「telc Deutsch C1 Hochschule」という名前です。

他にもC1レベルの試験に「telc Deutsch C1」、「telc C1 Deutsch Beruf」という種類がありますが、これらに合格してもドイツの大学に出願できません

telc Deutsch C1 Hochschuleは読解(90分)、聴解(40分)、作文(70分)、会話(約20分)という構成になります。会話では、2人組、もしくは3人組になってグループで会話をする形式です。

各語学学校で対応が異なる

telcのホームページで日程を確認したら、リンクから提携先の語学学校のホームページに飛んでご自身で問い合わせることになります。

コンタクトフォームを使うか、記載されているメールアドレスに連絡するか、申込用紙をダウンロードして全部記入してから郵送するかという応募方法は各語学学校によって異なります。なので、A校でできてた応募方法が、B校では通じないといったことが起こりうることを頭に入れておいてください。

皆さんが住んでいる、もしくは行こうとしている街の語学学校でtelcが開催されているなら、直接訪ねて問い合わせてみるのもありです。

申し込みは余裕をもって!

telcの申し込みでは特に試験開催ギリギリに申し込まないことです。余裕をもって(開催30日前ぐらいまで)申し込めば、通常料金のみで済みます。telcのQ&Aによると、だいたい150€が目安だそうです。

それより遅れて申し込むと、追加料金を請求されるパターンがあります。「よかった、間に合った。ここまだ申し込めるやん。」と思っても、損をすることもあるということなので、試験日程はちゃんと確認しておきましょう。

telcの会場になる語学学校では、準備コースが開催されています。こちらも試験前、もしくは試験申し込みと同時に各語学学校に問い合わせて参加することをお勧めします。

充実した教材ラインナップ

他にもtelc本部のホームページでは、さまざまな形式で無料版、有料版の教材を紹介しています。調べて思ったのは、telc Deutsch C1 Hochschule用の教材は、これまで紹介した他の試験の教材よりも大学出願資格に特化しているようだということです。

無料版教材

ダウンロード用模試

telc Deutsch C1 Hochschule1回分の模試を公開しています。telcそのものが日本人の僕たちになじみがないものなので、腕試し感覚でやってみましょう。

教材冊子「Einfach zum Studium!」オーディオ音源(補助教材)

別売りの教材、「Einfach zum Studium!」のオーディオ音源をダウンロードすることも可能です。あくまで教材あっての音源なので、前もって教材は買いましょう。

有料版教材

「Einfach zum Studium!」

CD付き教科書(27,5€) 

ヒント+小問題集(5,9€) 

こちらはtelc Deutsch C1 Hochschule対策授業で使用される教科書とその付属冊子です。上記のオーディオ音源はこちらの教科書に対応しています。

「Prüfungstraining telc Deutsch C1 Hochschule」

CD付き試験対策用冊子(17,5€) 

教科書よりも試験に近い問題が載っています。

半有料教材

以下の教材は無料で利用できる範囲が限られており、すべての教材を手に入れるには一部にお金を払わなければいけません。

「telc Deutsch C1 Hochschule, Übungstest」

Heft 1

問題冊子(13€) オーディオ音源(13,5€) 

Heft 2

問題冊子(13€) オーディオ音源(13,5€) 

Heft 3

問題冊子(13€) オーディオ音源(13,5€) 

Heft 4

問題冊子(13€) オーディオ音源(13,5€) 

いわゆる模試です。これで実際の試験の感覚をつかみやすくなります。購入もできますが、ダウンロードも可能なので、ちょっと見てみたいだけならまずはダウンロードしてみましょう。

アプリ

telcでは、App telc Deutsch C1 WortschatzというC1に必要な語彙力をトレーニングするアプリも開発しています。(Android、Apple両方)

7つのテーマがあり、ダウンロードしたての時は「An der Hochschule」だけ閲覧可能な状態です。それ以降のモジュールは有料でのダウンロードが必要です。

(出典: telc)

各モジュールにはテキストとオーディオがアップされていて、好きな時に勉強できます。どちらでもスクリプトが載っていて、その中の破線部分の単語からどれかを選んで、練習問題を通して覚えなおすことができます。

(出典: telc)

例題の一部です。

(出典: telc)

完全に無料ではないのがぬか喜びを誘ういやらしいやり方ですが、スマホで勉強できるならだいぶ手軽ですよね。

amazonにもちょっとだけ教材あり

日本で受けられないtelcですが、教材はAmazonでもちょっとだけ見つかります。興味のある方はこちらのリンクからどうぞ。

対策記事もあります

僕が上記の教材などを参考にして書いた対策記事もあります。よければこちらも読んでください。

現地で感じられるメリット

DSH、telcだけでなく、ゲーテの試験やTestDaFについても言えることですが、ドイツにいるというだけでメリットになる点が多いですね。試験に申し込みやすかったり、教材が充実していたり。

大学も決まってないのにドイツに行くことがハードルやねん、という声もありますが、これらの情報は「ドイツにいるときの選択肢はこんなにあるんだ」というスタンスで覚えておいて損はありません。

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!

別のブログも読んでいただけたらうれしいです。

んでは、また~。

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