・家を見つけて、住民票をゲット
・SperrkontoとGirokontoを開設して、財源を確保
・政府公認の学生向け健康保険に加入
ここまでを無事に完了させたら、やっと滞在許可申請が可能になります!外国人局(Ausländeramt/ Ausländerbehörde)に向かいましょう!
必要書類
- ID用の写真(Biometrisches Foto 3.5×4.5cm)
- パスポート(Reisepass)
- 滞在許可申請書(Antrag)
- 入学証明書(Immatrikulationsbescheinigung)/入学許可書(Zulassung)
- 住民票(Anmeldungsbestätigung/Meldebestätigung)
- 財源証明書(Finanznachweis)
- 健康保険加入証明書(Bescheinigung über die Versicherung)
基本的に以上の7点が必要になります。申請書はオンラインでPDFを印刷して持って行くケースや、外国人局で直接もらってアポイント期日までに書き込むケースなど街によって違います。入学証明書/入学許可書、住民票、健康保険加入証明書に関しては、以前のブログで説明した通りなので、よかったら見返してみてください。
もしかしたら、自治体によって追加で提出するべき書類があるかもしれませんので、一度ご自身で自治体のホームページを確認することを強くお勧めします。
4種類の財源証明書
ここで改めて解説しておくべきは財源証明書でしょう。要は生活をするのに十分なお金があることを証明するための書類です。銀行口座を開設するときにも触れましたが、向こう1年間の生活費を事前に用意しておかなければいけないのです。
2023年1月から、ドイツ政府は外国人留学生がひと月に必要な生活費を934€と定めています。(自治体によっては上乗せされます)
経済力証明の役割を果たしてくれるのが大きく分けて以下4種類。
ドイツの銀行で契約したSperrkonto(Sperrkonto einer deutschen Bank)
以前のブログでもご説明したSperrkontoです。契約した銀行の残高証明書を持って行きましょう。
費用負担証明書(eine Verpflichtungserklärung)
ドイツに親戚など保護者代わりになってくれる人がいる場合は、その人たちの保護下のもと経済的援助を受けられるという証明です。一度に申請できるのは6ヶ月分、その後最大5年まで延長できます。
この場合は最初の6ヶ月分でいいのですが、証明書の期日を越えると役所に新しく申請してもらわないといけないというのがちょっと面倒ですね。申請するのはあくまでドイツにいる保護者であり、政府より認可されたという通知をもって経済力が証明されます。
奨学金受給資格証明書(Stipendiumsbescheinigung)
そのままです。奨学金があれば話が一気に楽になるので、これまでの成績やドイツ語力に自信があるなら、ドイツに来る前にDAADなどドイツ留学用に設けられている奨学金に応募してみましょう。ただし、応募資格に年齢制限があるところが多いので、そこは事前に調べて、行けそうなとこに突っ込んでみましょう。
ただし、学部学生の場合は月800€以上の奨学金というのはそうそう見つからないと思っていた方がいいと思います。運良くゲットできて、934€/月に足りない場合は、不足分を別の手段で確保して、Sperrkontoに入れておきましょう。
公証済み両親の経済力証明書(notariell beglaubigte Erklärung der Eltern)
ご両親に助けてもらう場合は、直近3カ月の収入証書をつけた経済力を証明する書類でも有効です。学生である期間中、ご両親が皆さんの経済力を負担するという内容が書かれていて、英語、もしくはドイツ語で翻訳済みで、公証されている必要があります。
これで、必要な書類は揃いました。やっと申請に向かえます。
都市部に住むなら開館前に外国人局に並ぼう
手続きなんだから、アポイントを取るものだという常識人の皆さん、一度メールや電話で試してみてください。街が大きければ大きいほど、いかにアポを取るのが難しいかを思い知ることになります。
しかも提案される日付が数か月後とかいうことも。並んで解決するなら、そっちの方が早いです。
役所が開く2時間前には向かおう!
というわけで、今度こそ外国人局に向かいます。そこで驚愕することでしょう。
役所の開館時間ちょっと前に向かうともう手遅れであることに…。
大体役所って8時か9時に開くんですが、その時間になるともう長蛇の列。なんだこれは。みんな何時から並んでると思いますか?
ブレーメンの場合、外国人学生専用の出張所があるのですが、9時開館で7時過ぎには既に5人ぐらい並んでいるのが普通です。遅くとも開館2時間前には並ぶ心意気をもってその日だけ超早起きしましょう。その日だけやから!
ベルリンは別次元
カリキュラムの一部で、海外留学を経て企業でインターンシップをしなければいけなかった僕は、ちょうどドイツでの滞在許可が切れてしまうタイミングだったので、インターン先があるベルリンで申請しなおそうとしました。
現状を知って出たひと言。「こ れ は ひ ど い」
さて問題です。僕は何時に役所に並び始めたでしょうか。
…
…
…
朝の3時です。
いやどういうことって思うよね?フィクションじゃないです、がっつりリアルでした。しかも1番じゃなかったという驚愕の事実。その時既に10人強はウェイティングリストに名前がありました。
5時には50人ぐらいのリストがいっぱいになって、それ以降に来た人はすべからく追い返されてしまっていました。早起きなんてレベルちゃうやん。もうオールやん。
今思い返せば、3時前に来て、リストに名前書いてから帰ってちょっと寝てから受付時間にまた来ればよかったんちゃうかと(遅
しかも、ブレーメンの学生だから、ベルリンではどちらにしろ申請できなかったというオチ。なんじゃそりゃ。
人数制限がある
薄々気づいている方がいるかもしれませんが、外国人局が1日に滞在許可申請を受理できる数は決まっているのです。街の規模によって違いますが、ブレーメンの学生の場合は2019年時点で36人だったはず。だから早い者勝ちみたいにみんな早く並ぶんですね。
もちろん、そんな焦らなくても連絡してアポを安心して取れる街もあります。ただ、そういうところはそんなに規模は大きくないでしょう。
いくら日本人がパスポートだけで90日ビザなしでいられると言っても、ちんたら待ってられません。なので、アポが取れない時は諦めて並びましょう。
書類不備がないように入念にチェック!
前日に、提出、提示する書類をもう一度確認して、早めに寝ましょう。当日いろんな国の人が申請しに来るのですが、要項を解読しきれず、書類不備で弾かれてしまう人はまぁまぁいます。
ちょっと遅くても、もしかしたらチャンスが来るかもしれないとしぶとく並んでいる人がいるのは、こういう感じで追い返されてしまう人が一定数いることを読んでのことです。そんなことしないで、1日だけちゃんとした書類持って早く来れば解決するんですけどね。
変な読み合いで時間を無駄にしないように。何の得にもならんですよ。
申請直後は仮の証明書をもらえる
職員が書類を全て確認して、問題ないとみなしたら申請のための料金を支払います。現金では受け付けられないパターンもあるので、カードでも支払えるよう準備しておきましょう。
料金を支払ったら手続きはひとまず完了で、紙媒体で滞在許可を申請したという証明がもらえます。これは、本物がカードで発行されるまでその効力を引き受けるものなので、常時携帯しておきましょう。
バイトも始められる
そんな余裕はないという方がほとんどだと思いますが、この証明には1年の中でどれだけ働けるかも明記されており、事実上バイトを始めることができます。この部分は、カードが発行されたら別途長方形の紙でZusatzblattとして支給されます。
本発行は大体4週間後
申請から4週間ほどで、先述の滞在許可カードと労働可能な条件が明記された紙のZusatzblattができたと電話、もしくはメールで通知されます。受け取り時間が指定されている場合は、それを守りましょう。
やっとスタートライン
これで、ようやくドイツで学生生活を始めるための基盤が全て揃いました。期待と不安の間を行き来する複雑な気持ちが収まらないのは痛いほどわかります。でも、夢にまで見たあの場所にいる今、自信をもって踏み出しましょう。それだけ皆さんは頑張ってきたのです!
そして、少し短いですが、ここでこのブログのコンセプトその2「ドイツで学生として居住するための手続き」の解説記事はこれをもって終了となります。次回以降は、僕が体験してきた大学生活と、ちょこちょこ出てくる大学での手続き関係について紹介していきます。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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