ドイツの大学を卒業したら、当然ながら皆さんは学生ではなくなってしまいます。ということは学生ビザが更新できなくなってしまうのです。
一応有効期間いっぱいはそのビザが使えるのですが、それより長くドイツに仕事を探しながら居続けたいというなら、他の手段を見つけなければいけません。
今回はそんな皆さんのためにある求職ビザについて解説していきます。
今回参考にしたサイトは、ドイツ政府が運営している外国人向け移住情報サイト、Make it Germany、ミュンヘンとベルリンの市営ホームページ、ドイツ滞在許可法(Aufenthaltsgesetz-AufenthG)です。

就職活動のためのビザ
読んで名の通り、求職ビザとはドイツの教育機関、大学を卒業した外国人が、その後もドイツで働くために就職活動をする時間をドイツで過ごせるようにするビザなのです。
現代はネットが普及し、コロナ禍でオンラインのインフラを使う就職活動がしやすくなりました。それでも面接を〇oomでやるか、対面でやるかという選択肢があれば、対面を選ぶ企業が圧倒的に多いのも事実です。

学生ビザの期限が迫る中就職活動をすることを想像すると、この求職ビザがいかにありがたい存在になるか分かるのではないでしょうか。
正式名称はない?
求職ビザ、と日本語でなら一言で表現できますが、ドイツ語のサイトを漁っても、締まりのいい感じの単語がなぜか見つかりませんでした。よく使われているのは、
- Aufenthaltserlaubnis zur Arbeitsplatzsuche nach dem Studium
- Aufenthaltserlaubnis zur Arbeitsplatzsuche für Fachkräfte
という言い回しなので、ここでは同一のものとして扱います。
必要書類
申請に必要な書類は以下の通り。自治体によってちょっとした条件の差はありますが、書類の系統はこんな感じです。
- パスポート
- 有効な学生ビザ
- 卒業後も切れ目なくドイツに居続ける場合。有効期間が残っていることが前提です。
- 証明写真(45 x 35 mm)
- 大学の卒業証明書
- 卒業証書(Abschlussurkunde)
- 卒業までの成績証明書(Zeugnis oder Bescheinigung Ihrer Hochschule über den erfolgreichen Abschluss Ihres Studiums)
- 保険加入証明書
- 生活費の証明書
- 残高証明
- 奨学金以外の学生ビザ申請時と同じ方法
- あればドイツ国内での労働契約書(バイトでも可)
- 住民票
- ベルリンでは賃貸契約書のコピーでも受け入れるという記述もあり
- ミュンヘンでは必要ない?(2023年10月現在)…というのは正直考えにくいので、念のため持っていた方がいいでしょう。
- 求職ビザ申請用紙
- 発行手数料 100€前後
申請の資格があるか問い合わせ
デュッセルドルフでは、申請の前に外国人局に問い合わせて、申請する資格があるかどうかを知らせてもらうのが必須のプロセスのようです。恐らく外国人局の職員が、国のデータベースに問い合わせて確認するのでしょう。これは自治体によって対応が違うので、一概には言えませんが、自分が申請のために準備するべきタイミングが分かるならその方がいいですよね。

むしろできるなら、ドイツの全自治体でそうして欲しい。
発行までには大体4~6週間
外国人局に申請して、無事に受理されたら、そこから長くて6週間ぐらいで発行されるというのが通例だそうです。僕の場合は4週間でした。
最長18カ月の滞在が許可される
ドイツの大学を卒業したことが証明できれば、求職目的で18カ月の滞在が許可されます。実は職業訓練を卒業した場合、研究課程を修了した場合などなど、他の条件でもこの手のビザを申請できるんです。が、調べたところドイツの大学を卒業した外国人が一番長い期間の求職ビザを支給されるみたいです。
有効期間内はどう働いてもいい
求職ビザなので、就職活動はしなければならないのですが、ちゃんとした仕事が見つかるまではバイトで食いつないだり、インターンとバイトなどの掛け持ちもアリです。
延長不可!
求職ビザは一度きりの申請で、期限が切れたらそれで終わりです。18カ月と言うと結構時間があるのですが、自分が納得できるような職がその間に見つけられるかは運次第なところが大きいです。
なので、声をかけてくれた企業には大きな声では言えませんが、ぶっちゃけ労働ビザを取得するため、自分で折り合いをつけてそこで働くのも選択肢の一つです。
チャンスをつかみに行こう
大学卒業を控え、ドイツで働きたいかどうか心が揺らいでくる人が増えるのではないかと思います。少しでもドイツに残りたいという人はぜひ求職ビザを活用してください。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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