ドイツの大学で卒業論文を書く① 執筆までの準備編

大学生活

大学卒業にあたり、最後の難関となるのが卒業論文。日本でもドイツでも同じようなプロセスですが、もしかしたらちょっとした違いがあるかもしれません。

そこで、僕の体験をもとに、ドイツの大学で卒業論文を書くときにやるべきことを書き連ねていきます。

今回は、卒論を書き始めるまでの流れについてです。

テーマを決める

何と言っても書きたいことがないと始まりません。今まで受けてきた授業の理論を使って、自分が気になることを深堀りできないかを考えてみましょう。

(出典: いらすとや)

僕の学部では、経営学やマーケティングを学んでいたので、ビジネスと呼ばれるものすべてが対象にできました。そういう意味ではテーマ選びは比較的楽な方だったと言えます。

企業を決める

過去に何回か触れてきましたが、テーマによっては企業に応募して、自分の研究したいことを直に見てみるという環境を選択することもできます。

(出典: Flickr “P1060323” by Johannes Wagner)

次のステップである、担当教授を決めるにあたって、研究のために行きたい企業を絞るのもこの準備段階に含まれます。

担当教授を決める

テーマが決まったら、どの教授に見てもらうかを決めるのが次のステップです。それぞれ専門分野があるので、一人、もしくは二人の教授にテーマを持って行って、「このテーマについて、こういう観点から書きたい」と相談しに行きます。

専攻科目から

だいたいこうなると思いますが、自分の専攻してきた分野を卒論のテーマの分析に応用するために、今まで授業を受けてきた教授の誰かにお願いしに行くパターンです。文系の場合、ぶっちゃけテーマは何でもいいのですが、それをどの知識と擦り合わせて論文にしていくのかを考える必要があります。説得力のあるテーマ展開を考えましょう。

教授に持って行って、テーマと専攻分野の相性が悪いと判断されたら、テーマ変更を提案されたり、また分析の視点を変えた方がいいという場合は、他の教授の下で書くことを勧められたりします。

専攻外科目を入れたいなら

文系だと稀にあるのが、今までの専攻科目ではないけど、テーマ的にどうしても他の学部の教授の指導が必要となるパターンです。

日本ではこういう事が認められるかは分かりませんが、ドイツではあってもおかしくないそうです。

指導をしてもらいたい教授には自分でアポイントを取りに行き、テーマをプレゼンして、だからあなたの下で書きたいとお願いします。

ただ、他学部ということもあって、自分が受け持つ学生で既に手一杯という理由で断られることも十分考えられます。ちょっと口悪く言ってしまうと、他学部の学生の優先度は低いので、まぁ仕方ないかもしれません。

仲のいい教授の専門分野に合わせるのも一手

専攻のどの知識を分析に使いたいかで、指導教授を選ぶのが本来の姿です。が、逆にこの教授に見てもらいたいから、それに合わせて分析内容を決めるのも個人的にはありだと思います。お互いのことを知っていれば、指導の内容も柔軟に、かつ密度濃くなっていき、質の高い卒論への道が開けてくることでしょう。

(出典: いらすとや)

僕もこれと似たような感じで、マーケティングと異文化コミュニケーションの教授二人に相談して卒論を書きました。僕がグループワークでしんどい思いをしていた時に、親身になってアドバイスをしてくれた彼らに最後まで付き合ってもらいたかった、というのが理由です。

甘やかされたかったわけではないし、部分的に自分のやり方とは別の方法を勧められたりして、すべてを思い通りにできたわけではありません。

それでも、この人達の言うことなら素直に聞けると納得した上での選択だったし、特に不満はなく結構納得のいく出来になったので、後悔はありません。

学生課に申請

教授からテーマに関してとりあえずオッケーをもらったら、学生課に申請をしに行きます。自分の学籍情報、テーマとその分析方法の概要、担当教授の情報を申請のフォーマットにまとめて提出、受理されたら完了です。

申請してからは期限付き

学生課から担当教授に内容確認があり、正式に承認されたら、学生に正式に申請完了の通知が届きます。ここで、提出期限がいつなのかというのも同時に知らされます。ゼロから始めるなら、そこから逆算して、しっかりスケジュールを管理していきましょう。

(出典: いらすとや)

敢えて申請を後回しにするのもあり

とは言え、自分にとってその期限が短いと感じる人も少なくないと思います。それなら、文献、統計の取り方などを教授に相談しに行く時点でほぼ固めておいて、教授がいいと言ったらちょっと書き始めてから、学生課に執筆の申請をしに行ってもいいです。

このパターンにする場合、教授にもこちらの執筆スケジュールをあらかじめ伝えておくことが重要です。やはり教授なので、授業以外にも研究や学会で基本的に忙しく、ちょっと先の予定となると意識から外れてしまう恐れがあります。なので、教授には公式にはいつ申請して、いつまでに卒論を提出したいということを伝えておきましょう。

学生生活、終わりの始まり

大学生活の集大成ともいえる卒業論文を書く、というのは憂鬱に感じるかもしれません。今までやってきたことを自分の中でおさらいしながらアウトプットしていく作業が多く、どれだけ自分が勉強してきたのかが如実に表れます。でも途中でやめずにここまで来たのなら、どうかそれに向き合って「論文」として形に仕上げて欲しい。皆さんが頑張る姿を想像しながら、僕は陰ながら応援しています。

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!

別のブログも読んでいただけたらうれしいです。

んでは、また~。

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