ドイツの大学に出願するためには、大概の場合履歴書も送るように指示されています。
日本では市販のフォーマットが印刷された用紙に必要事項を書き込むのが常套手段ですが、ドイツでは自分でMicrosoft Office ワードなどのソフトを使って作成するのが一般的です。
これは、大学出願時に限らず、後々情報を更新していけばドイツで仕事を探すときにも続けて使えるので、将来ドイツ進出を考えている方にはぜひ参考にしていただきたいところです。

面倒なのは今のうち!
それでは、僕がドイツ人の友達の協力のもと作った履歴書のフォーマットを基に解説していきましょう。一応プライバシーに深くかかわる部分は事前に消してあります。ファイルや図で示してある”x”の部分をご自身の経験に合うように書き換えてください。
セキュリティの都合上ワード形式ではなくPDF形式での公開になるので、ちょっと面倒ですがダウンロードの上ワードに変換していただくか、コピー&ペーストでワードに貼り付けてください。
基本的なルール
・A4用紙2枚、できれば1枚半までに収めましょう。出願に関係ない情報は思い切ってカットしても大丈夫です。
・証明写真は最低でもビジネスカジュアルで。パソコンで作成するので、後々貼り付けられるようにデジタル化しておきましょう。据え置き型の撮影ボックスよりは、写真屋さんに撮影してもらった方がいいですね。
・各項目は、新しい出来事は上に、古い出来事は下になります。現行で携わっていることはMM/JJJJ – heute (開始時期から現在)。
連絡先

- Xxxxx (最上段: 学歴 高卒の方は省略しても結構です)
- Xxxxx (2段目: 氏名)
- Anschrift(宛先) Straße(町名) Hausnummer(番号、〇丁目〇番など), Stadt(都市), Präfektur(都道府県), JAPAN
- Geburtsdaten(生年月日) TT.MM.JJJJ(日.月.年の順番で), Präfektur, Japan
- Staatsangehörigkeit(国籍) Japanisch
- Familienstand(婚姻状況) Ledig(独身)/Verheiratet(既婚) ※ほかにもありますが、わざわざ細かく書かなくても大丈夫です。
- Telefonnummer(電話番号)
職歴・学歴

職歴
- タイトル(1行目)は、役職、会社名、会社の所在地(ドイツ国外の場合は国名も書いておく)
- 薄いグレーのテキストには、自分が担当した仕事について簡潔に二文程度まででまとめる。
※可能ならば会社に職歴証明書を英語で発行してもらいましょう。公式のものがなくても、自分で作ってサインもらうだけでも効果大です。
- Praktikum(インターンシップ)の経験も職歴に入れることはできますが、雇用期間が3か月以上かつ証明書がもらえる場合のみ書いておいた方が無難です。
※後の記事でも説明しますが、ドイツの大学はインターンシップの経験が入学条件になっていることもあります。
- バイトの経験も書いて大丈夫です。ただ、応募先と関係ない経験だと思ったら削りましょう。
学歴(大学から)
- タイトル(1行目)は、卒業課程(学部、修士、博士)、専攻名、大学名、大学の所在地(ドイツ国外の場合は国名も書いておく)
- 自分の専攻について簡潔な一文程度で薄いグレーのテキストにまとめる。
- 論文を書いた人はAbschlussarbeit(テーマ)、Betreuer(担当教授)、Abschlussnote(卒業時の成績)も薄いグレーのテキストにまとめる。
- 海外の大学に交換留学生として滞在した経験があれば、Austauschprogramm(交換留学プログラム)としてまとめる。
- 専攻内で、学外の人と関わるようなプロジェクトに参加し、その証明書があれば、Modulprojekt(専攻内プロジェクト)としてまとめる。
特殊な経験、高校を卒業した時期

特殊な経験
単発ではない長期のボランティアはドイツではehrenamtliche Tätigkeit(非営利活動)として認められるので、書いておくと大学出願や奨学金応募の際有利になるケースがあります。
その他僕の場合は、ボランティアではないですが、通訳経験が数回あったので、それをまとめて書き込みました。
出身高校卒業時
ご自身が高卒であるということをドイツではAllgemeine Hochschulreife(高等教育課程卒業)といいます。卒業した時期と高校名、高校の所在地をつけ足しましょう。
海外経験、その他

海外経験(自分から見て外国での経験)
冒頭に国の名前、説明欄には合計期間、目的(Arbeit(仕事)Austauschprogramm、Praktikum、Sprachstudium(語学留学)など。当然ですが、どんなに長期であっても旅行は対象外です。
語学力、パソコンスキルその他
これが地味に悩むんです。なんてったって自分で何がどんだけできるか自分で判断しないといけないんですよ。
語学力の場合は自分が扱える語学を並べて、レベルをMuttersprache(母語)、Verhandlungssicher(仕事で扱える)、Fließend(流暢に喋れる)、Gut(そこそこ)、Anfänger(初心者)でレベル分けすることになります。
母語や初心者はともかく、自分で仕事で扱えるレベルの外国語能力とか胸張って言うのちょっときついなぁと思いませんか?何か資格を持ってるとか、現地に住んでたとか、仕事でバリバリ使ってたっていうならまた話は変わりますが。
かといって、今から現地人と肩並べて勉強しようっていうのにそこそことか初心者って書くと印象は確実に薄くなります。
僕のドイツ人の友達曰く、「はったりでもいいから自信持ってVerhandlungssicherで押し通せ」ということでした。(彼はウルトラポジティブです。)まぁドイツ語や英語はどうせ試験の結果で証明することになるので、VerhandlungssicherかFließendのどっちかにしときましょう。

せめてドイツに行くまでに、毎日ドイツ語や英語に触れる生活をして力をつけておこう。
パソコンに関しては個人差は激しいでしょうが、文系やパソコンをずっと扱うことのない学部なら、正直Microsoft Office、Gutだけでいいと思います。ドイツ人の学生を4年ほど見てきましたが、そんなめちゃめちゃにできる人はいません。教授もそこまで期待していません。※入学してからレポートを書くために必要な機能はこちらでちらっと紹介しています。
Informatik(情報学)に応募しようとしているなら、ここら辺を充実させておいた方がいいでしょう。出願時点でプログラミング言語をある程度扱えたりすると選考時の加点対象になるかもしれません。
カスタマイズできるように全部書き起こそう
おすすめの方法としては、一旦ご自身の経験をこのフォーマットに即して全部書き起こし、出願先、応募先に応じて切り貼りして形を整えるというものです。新しく履歴書に乗せる価値がある体験は随時更新しましょう。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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