ドイツの大学の試験ってどんなの?

大学生活

ドイツの大学でも、日本と同じように単位を取るためにいろんなことをこなしていかないといけません。

あくまで文系の場合ですが、1セメスターからまぁまぁな量の試験や課題が出され、合格基準に満たない場合割とあっさり落とされます。理系はそれに実験とかが乗っかってくるんでしょうね(鳥肌)。

今回は、僕の体験をもとに、どんな感じで試験があったのかを解説します。

学籍登録ポータルで事前に受験登録

多分どこもそうだと思いますが、現代の大学なので、学生が履修登録をするためのポータルサイトがあります。一人一人にアカウントがあてがわれ、そこで履修登録をする=単位取得のための受験登録をすることになります。履修登録は、原則セメスターが始まってから一定期間しかできないので、自分が受ける授業の履修登録はとりあえず早めに済ませときましょう。

筆記具、身分証は必須

試験を受けるので、ペーパーなら当然、コンピューター形式でも、メモや計算のために筆記具は必要になります。ここでいう筆記具は、ボールペンです。ペーパーテストの場合、ボールペンで答えを書かないと無効になってしまいます。

また身分証は、受験者の顔と名前を講師が確認するためです。これは日本の大学で大人数の中試験を受けるときと一緒ですね。僕の場合有効だった身分証は、パスポートor滞在許可証orセメスターチケット+学生証でした。学生証に顔写真が貼ってあればそれだけでいいかもしれません。

教材を持ち込みできることも

試験、となると日本人である僕たちは、筆記具だけで教室に入らないといけないような気がしますよね。

しかし、講師の判断次第で、勉強に使っていた教材を試験に持ち込めて、それらを参考にしながら受験できるということもあるのです。例えば、僕の学部ではビジネス関係の法律の授業があり、そのとき使っていたドイツ民法と取引法がすべて載っている本(それぞれBGB: Bürgerisches Gesetzbuch、HGB: Handelsgesetzbuch)がないとみんなお手上げでした。

みんなの理解度に期待していなかったのか、あまりにできなくてまずいと思ったのか、試験直前になってその講師から、「BGBとHGBだけは持ってきていいからね。」というありがたいお言葉が出ました。当然クラスの大部分は歓喜でその講師に拍手ですよ。

(出典: Flickr “Applause” by Martin Thomas)

ちなみにそれでも落ちる子がいるほどの難易度だったそうなので、講師は最初から本を持ってこさせるつもりだったのかもしれません。

…「だったそう」?

はい、よく気づきましたね。僕は法律が頭に全く入らず、BGBとHGBをもってしてもどうにもならんと思ったので、1回目はスキップして、それに落ちた子と一緒に追試を受けました。これに関しても、後で解説します。

外国人にとってはありがたい!辞書も行ける?

僕の学部はドイツ語と英語が5:4ぐらいで、そうなると試験をする場合も当然ドイツ語か英語だったのです。

試験がドイツ語なら、これも講師の判断になりますが、外国人(=ドイツ人とドイツで育った外国籍の学生以外)の学生は、自分の母語とドイツ語のセットになっている辞書を持ち込める場合があります。僕らが独和辞典を持ってこれたらだいぶ心強いですよね。大学の図書館にもあるかも?探す価値はあります。

ただ、僕が知る限り紙辞書限定です。電子辞書はスマホ同様電子機器とみなされ、持ち込み禁止であるパターンがほとんどです。

試験中に質問もできる?

これもカルチャーショックでした。一部試験では、試験監督の講師が学生の質問に答えてくれます。問題文の意味が分からないとか、この問題はこういう状況のことを描写しているのかとか、答えにたどり着くまでの大きなヒントになる質問もあります。中にはもうほとんど答え教えてるやんっていう講師もいました。まぁ、それができるなら利用しない手はないですね。多分試験開始前に明言すると思うので、できそうならどんどんしちゃいましょう。

もはや無法地帯…。

カンニングはご法度

いや、当たり前やないか、というツッコミは受けて立ちましょう。もうちょっと詳しく解説しますね。

(出典: いらすとや)

持ち込みOKならともかく、当然身一つで受けなければならない試験もあります。そんな中教室内でカンニングしようとする勇者はさすがに見たことありません。が、近くのトイレとかに教材を隠して、トイレに行く振りをしてその教材で問題のページを開いて答えを調べるという方法を取ろうとした子はいました。

ここで落とし穴。講師はほぼ試験監督として教室にいますが、時々出て行きます。もうステルススキル極めてるんちゃうかってぐらい音もなく、いつの間にか消えていく人もいます。噂ですが、実は試験をする教室の周囲を見回って、そういった隠し教材を探しに行くためだと言われています。持ち主が判明すれば、当然その人は問答無用で不合格です。なので、下手な小細工はやめときましょう。

出ていく時間がバラバラ

ドイツの大学では、試験が2時間ぐらい、それかもっと長い枠を取って行われます。教室への入室時間は結構厳しいので、15分ぐらい前までに来ることをお勧めします。

受験者がみんな席について試験が始まる前になると、講師から終了時間に関してのアナウンスがありますが、それまでに出て行っていい時間帯に関しても知らされます。それが僕の知る限り、試験開始から30分まで、そして試験終了の30分前からというのが割とメジャーです。

(出典: いらすとや)

なので、開始直後に問題を見て「だめだこりゃ」と思って速攻出て行く人、逆にきっちりできてこれ以上見直す必要もないと判断して、終了時間のだいぶ前に出て行く人それぞれいました。

ダメそうならやめとこう

どちらのパターンにせよ、試験をする教室に入って講師に身分証と顔をチェックされると、1回受験したとみなされます。ドイツの大学は、同じ試験を受けられるのは3回までで、3回目に落ちてしまうと、除籍処分というおっかないことになってしまいます。

試験日までに頑張って勉強したけど、どうも合格する気がしないと思ったら、無謀な賭けはせず、一旦受験をパスするのも手です。

受験パスは、冒頭の履修登録を解除するか、学生課に申し出るかというところは大学、学部によって分かれます。

受験回数のカウントは大学次第?

上でちらっと触れましたが、僕はドイツ法(国際法も)の理解が壊滅的だったので、敢えて本番を1回ぶちり、その後の追試までにある程度勉強して合格する方に舵を取って、無事単位を取りました。

うちの大学では、本試と追試はセットのようなもので、本試に落ちて追試を受けた同級生も2回受験とはみなされませんでした。他のドイツの大学でもそうなのかはちょっと分かりませんが…。

いつかは通る道

(出典: Flickr “exam” by Carl Baron)

ざっと解説しましたが、この形式のうちどれかは避けて通れません。単位が欲しけりゃ勉強しろということを身にしみて感じます。計画的に、効率的に受験して、サボって生まれる自分に対するしわ寄せをできる限りなくしましょう。

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!

別のブログも読んでいただけたらうれしいです。

んでは、また~。

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